労評は労働者の団結のために活動します!
今日、大阪地裁で判決のあったトールエクスプレスジャパンの残業代請求裁判は、「原告の請求を棄却」とする不当判決でした。
内容は、論理の飛躍と何を言いたいのか分からない判決で、これについては、記者会見で、司法記者の方たちの大多数が同様の感想を抱いていました。
労基法37条の趣旨は2つ。
①残業割増賃金を支払わせることによって、使用者に経済的負担を課すことで、長時間労働を抑制すること
②通常の労働時間に付加された特別な労働である時間外労働に対して、一定の補償をさせること
にあります。
今回の判決は、この点について全く触れていない。というより、避けています。
上記2点は、労基法などの法律に違反しない範囲に制限されています。
しかし、今回の判決は、この点からかけ離れて、労使間の合意さえあれば、自由に勝手に決められるという、労働法よりも、労使関の、「私的自治」を優先するかのような内容です。
このような判決に対し、労評交運労トール労組は、速やかに控訴して、大阪高裁で争います。
もし、トールのような賃金規則が、合法ならば、残業させておいて、残業代を、踏み倒すことが、合法となる世の中になってしまいます。
労評交運労トール労組では、2月12日、春闘第1回団体交渉を行いました。
今回は、労評の要求についてブログにまとめました。
春闘要求書の内容は、以下の通りです。
2019年春闘要求書
一、2019年度のベースアップ関係について
①係長以下一人当たり平均15000円の賃上げをすること。
②配分について
ア、勤続年数配分
2000円×勤続年数を基準とし、差額分を増額すること。
イ、集配職員の特別加給
集配職員の特別加給については、大型車(10トン車以上)を運転する集配職員を除き一律3000円を増額すること。
ロ、残りの昇給原資については、基本給の増額に用いること。
③定年後の嘱託労働者の時間給を200円以上引き上げること。
二、能率手当の改定について
能率手当=(賃金対象額-時間外手当A)+1000円×各人の残業時間
に改定すること。
尚、改定の対象者は、集配職員(10トン車以上を運転する集配職員を除く)、整備職員とする。
三、夏季一時金について
①係長以下1人当たり50万円を要求する。
②配分方法は、従来通りとする。
四、その他について
①確定供出年金について、現行では会社掛金の支払いが満60才で終了する。これを満65才の定年まで延長すること。
②ホーム作業の安全確保を行なうこと。
継配の荷物を広島支店に相当量を置くことによりホーム上の通路、及びホーム作業場が狭くなり、その中でフォークリフトの作業が行われている。
フォークリフトの3m以内には近付いてはいけないと会社は指導しているが、その指導に従えばホーム作業を遂行できない状態にある。これは、極めて危険であり、昨年は、フォークリフトによる人身事故も起きている。
安全衛生法に則り、安全衛生委員会を機能化させ、ホーム作業の安全環境を確保すること。
以上
今回の団交は、要求内容の説明と要求の背景説明でした。
昨年の春闘では、係長以下平均5255円の賃上げ原資を会社は確保し、集配職労働者は平均8千円強の賃上げでした。
要求書の配分方法は、勤続給への配分と集配労働者への配分に賃上げ原資の多くを取るよう要求したものです。
勤続配分は、勤続一年未満の労働者と10年勤続の労働者との勤続給の差額を2万円にするようにという要求です。
また集配労働者の賃金底上げのため集配職の特別加給を一律3000円引き上げるようにという要求です。
団体交渉では、集配職特別加給は最低3000円であり、3000円以上と要求しました。
以上の要求の背景は、勤続年数に応じて賃金が上がらなければトールに長く勤めて頑張ろうという気持ちになりません。
確定供出年金の掛け期間を65歳に延長する要求も同様の趣旨から要求しました。
そして最大の問題となっている集配職労働者の待遇を改善するためには、賃上げ総原資を集配労働者に一人当たり多く配分するようにしなければなりません。
3月20日に残業代未払いの裁判の判決があります。
どちらが勝っても負けても最高裁まで争われる可能性が高い。
それまでの暫定的改定案として「能率手当=(賃金対象額-時間外手当A)+1000円×各人の残業時間」とするように要求しました。
詳しくはまた報告したいと思います。